不易の句 向井去来 不易の句は俳諧の體にして、いまだ一のなき句なり。一時の物数奇なき故に古今に叶へり。(去来抄) 上島鬼貫 古風もむかしは当風ならし。今はた当風とおぼしき句も、又いつしか古風となり侍らん。古風といふも当風といふも、ともに作り求めたる句のすがたによりて新古の名はあれど、修し得てまことの道を行けん人の句は、幾とせ経るとも新古の差別はあらじ。(独ごと) 俳論INDEX