松尾芭蕉
- 凡ものを作するに先其の本情を知べき也、しらざる時は珍物奇言に魂をうばはれて、其本情を失ふ事有べし。(去来抄)
- 詞を細工して 拙き事云ふべからず。(去来抄)
向井去来
- 句においては身上を出べからず。身外を吟ぜばあしき害を求め侍らん。(去来抄)
上島鬼貫
- 俳諧は只まことにもとづく中立なりと心をよせて修行すべし。(独ごと)
- 只心を深く入て、姿ことばにかかはらぬこそこのましけれ。(独ごと)
- 新しく作りたる句はやがてふるくなるべし。只とこしなへに古くもならず又あたらしくもならぬをこそ能句とはいひ侍るべくや。(独ごと)
正岡子規
- 俳句と他の文学との区別はその音調の異なる処にあり。(俳諧大要)
- 川柳の滑稽は人をして抱腹絶倒せしむるにあり。俳句の滑稽はその間に雅味あるを要す。(俳諧大要)
- 俳句をものせんと思はば思ふままをものすべし。(俳諧大要)
- 俳句はただ己れに面白からんやうにものすべし。(俳諧大要)
- 理屈は理屈にして文学に非ず。されども理屈の上に文学の皮を被せて十七字の理屈をものするもまた文学の応用なれば時にこれを試むるも善し。ただ理屈のために文学を没却せらるること莫れ。(俳諧大要)
高浜虚子